庭の設計で最初につまずくのが「どこに何を置くか」という配置の問題です。植物を先に選んでしまうと、後から動線が取れなくなったり、日照条件に合わない場所に植えてしまったりすることがあります。ゾーニングとは、植物や素材を決める前に、庭の使い方と動線を区分けする作業です。

ゾーニングの3つの軸

庭のゾーニングは、動線(どこを歩くか)、用途(何をする場所か)、視線(どこから見られるか)の3つの軸で考えます。動線は玄関から裏口、駐車場から勝手口など、日常的に歩くルートを先に確保します。用途は、洗濯物を干す場所、子どもが遊ぶ場所、植物を育てる場所などに分けます。視線は、道路や隣家からの視線を遮りたい場所と、室内から眺めたい場所を区別します。

方眼紙に現況図を描く

ゾーニングを始める前に、現在の庭の状況を1/50スケールで方眼紙に描きます。建物の外壁、窓の位置、既存の植物、排水口、外部コンセントの位置を記入します。この現況図があると、日照の確認や動線の検討が格段にしやすくなります。スケールは1/50(方眼紙の1マス=1m)が住宅の庭には扱いやすい大きさです。

ゾーンを色分けして整理する

現況図の上にトレーシングペーパーを重ねて、ゾーンを色分けします。動線は黄色、植栽ゾーンは緑、舗装ゾーンはグレー、休憩スペースはオレンジ、というように色を決めておくと、全体のバランスが視覚的に把握しやすくなります。この段階では、具体的な素材や植物の種類は決めません。

よくある失敗パターン

ゾーニングをせずに設計を進めると、植栽スペースが動線を塞いでしまったり、休憩スペースが日陰になりすぎたりすることがあります。また、洗濯物を干す場所と観賞用の植栽ゾーンが重なってしまうケースも多く見られます。ゾーニングの段階でこれらの矛盾を発見しておくことが、後の設計変更を減らすことにつながります。

ゾーニングは、庭の設計の中で最も地味ですが、最も重要な作業です。植物や素材を選ぶ楽しい作業は、ゾーニングが終わってからで十分間に合います。